弘前大学食料科学研究所では,10月1日(木),青函圏の産学官金の関係者ら80名を対象に,青森市内のホテルにおいて「青森フルコース講演会?試食会」を開催しました。
同研究所では,津軽海峡を挟む青函圏を北日本と位置づけ,青函の強みである「食」を移出?輸出し外貨を稼ぐ「北日本食の成長戦略」を掲げ,北日本の食の高付加価値化を目指し,機能性に関する研究を行うとともに,文系,理系,芸術を融合(文理芸術融合)させた食の総合プロデュースによる世界に向けたブランド化を目指した取り組みを行っています。
講演会では,同研究所福田准教授による文理芸術融合型北日本食の成長戦略の趣旨説明に続き,同大教育学部特任教授の加藤陽治氏から「機能性食品素材の研究と利活用」,有限会社オフィス一六の古西正史氏から「食の機能性は市場創造のカギ マーケティングによる「戦略」と「戦術」」と題した講演が行われ,機能性食品の基礎と応用研究,そして研究成果に基づく商品企画とブランド化に関する講演を通じて,食の総合プロデュースの必要性や重要性の理解を深めました。
試食会では,ホタテやサバなど青森近海で捕れた海産物のほか,青森市産のミニトマト「ベビーベビー」や八甲田牛,カシスなど青森市の食材を中心としたフルコース料理を試食し,食の総合的(味?環境?情報?人など)な魅せ方を五感で体験いただくことにより,青森産農林水産物のブランド化向上と推進に資する提案を行いました。
同研究所では今後,高度で先端的な基礎研究を通じた食料科学領域の学術拠点の形成を進めるとともに,「食の総合プロデュース」として,食材の研究,商品開発とともに,食材の輸送方法,レストラン経営なども含めた総合的な取り組みを通じた地域貢献活動を進める予定です。