弘前大学

弘前ねぷた位置情報発信社会実証実験2024

2024.07.31

プレスリリース内容

本学研究者

大学院理工学研究科 丹波 澄雄 准教授
※丹波准教授の紹介ページは こちら(「研究者総覧」の研究者ページへ)

本件のポイント

  • 昨年に引き続き、弘前ねぷたの位置情報をWEB上でリアルタイム発信するシステムを開発し実証実験を行う。昨年は参加ねぷたの半数にGNSS機器を搭載したが今年度は全てのねぷたに搭載する。
  • 計測した位置情報の送信には弘前大学で構築しているLoRa通信網を用いる。LoRa通信はライセンスフリーであり、通信コスト0円で運用できる。
  • 効果としては、ねぷたの定時運行に寄与する情報を提供できること、観光客などが見物するための時間的なゆとりを得られること、ねぷたの移動に伴う交通規制のための有益な情報を提供できること、である。

本件の概要

弘前の夏まつりである弘前ねぷたまつりでは毎年延べ100台に及ぶ「ねぷた」が運行されてきている。ねぷたの運航スケジュールは当日の運行直前にならないと確定しないし、各ねぷたの出発時刻は定まっていない。各ねぷたの現在位置の情報がリアルタイムに地図上に表示されるならば、各ねぷたが自身の位置を正確に把握できるようになり、予定時刻からのねぷたの遅れが把握でき、定時運行を維持することが可能になる。また、観光客や見物客にとっては贔屓のねぷたを確実に見物するための時間的なゆとりが得られ、より安全にねぷた見物を楽しめるようになる。さらに、会場までのねぷたの移動に伴う交通規制のための有益な情報を提供できる(図1)。

(図1)WEB上でねぷたの位置情報をリアルタイムで確認できる

(図1)WEB上でねぷたの位置情報をリアルタイムで確認できる


リアルタイムねぷた位置情報発信システムは、2019年度に初めて弘前大学ねぷたに位置計測を行うGNSS(全球測位衛星システム)機器を搭載して動作確認実験を行った。2022年度は新型コロナ対策の一環として弘前青年会議所と連携して試験運用として16台のねぷたにGNSS機器を搭載して実施した。昨年度は弘前市市民参加型まちづくり1%システムの支援を得て合同会社ミーモテックと共同で搭載機器を30台に倍増させて実施した。今年度は同様の体制で全ての参加ねぷた66台に機器を搭載させて実施する。

我々が開発したシステムは、LPWA (Low Power Wide Area)通信の一つであるLoRa(Long Range)通信を利用してねぷたに搭載したGNSS機器で計測されたねぷた自身の位置情報をサーバに集めて公開している(図2)。LoRa通信は免許が不要で基地局を利用者が自由に設置できることから通信料金は発生せず、ローコストで運用できるシステムとなっている。通信品質を向上させるためのにLoRa通信の受信機を弘前パークホテルおよび弘前市役所に設置して運用している。

位置情報公開ページはWebページとして構築しているのでインターネットに接続する全ての機器から容易にアクセスできる。アクセス先のQRコードは、若手絵師3名のねぷた絵を採用したうちわにも掲載してあり、昨年と同じく、土手町コミュニティパーク、弘前市立観光館の他に駅の弘前市観光案内所と市内のホテルや銀行などで、延べ1500枚の配布を予定している(図3)

(図2)ねぷた位置情報公開システムの概要図

(図3)若手ねぷた絵師3名によるうちわ絵

アクセス先 URLは以下の通り
<ねぷた位置情報発信ページ> https://neputa.koustate.com/hirosaki
公開期間:2024(令和6)年8月1日~6日

プレスリリース

プレスリリース本文は こちら(946KB)

本学お問合せ先

弘前大学大学院理工学研究科 准教授 丹波 澄雄
TEL:0172-39-3725
Email:tanbahirosaki-u.ac.jp