弘前大学

リンゴ加工残渣を使ったエキス「アップルクリレ」使用のドリンク「アップルクリレ サイダー」販売開始

2024.12.23

プレスリリース内容

本学研究者

弘前大学農188体育官网-【体育娱乐】@命科学部 食料資源学科 准教授 前多 隼人 (農188体育官网-【体育娱乐】@命科学部ホームページの「教員紹介」へ)

本件のポイント

  • リンゴ加工残渣とチシマザサ抽出エキスを使ったドリンク、「アップルクリレ サイダー」がスーパーマーケットチェーン店で一般販売開始になりました。
  • 「アップルクリレ」はリンゴ加工残渣と、八甲田山から採取したチシマザサから抽出した甘味料です。
  • 「アップルクリレ」の機能性成分や特徴について、弘前大学農188体育官网-【体育娱乐】@命科学部の前多隼人准教授と日本ハルマ株式会社が共同研究をおこなってきました。
  • 「アップルクリレ サイダー」はリンゴのほのかな甘みとチシマザサのフレーバーを感じるさわやかな炭酸飲料です。「弘前大学」のロゴ入り製品です。

アップルクリレ サイダー画像

■メーカー希望小売価格 250mL入り 730円(税別)
■「アップルクリレ サイダー」取扱店(2024年12月20日現在)
?スーパーマーケット「カブセンター」「ベニーマート」各店(紅屋商事株式会社)
?その他、青森県内小売店、お土産店

本件の概要

【背景と経緯】
青森県ではリンゴジュースの加工工程で排出されるリンゴ加工残渣の活用が課題となっています。現在は家畜飼料などの活用がほとんどであり、付加価値の高い食品への応用が望まれていました。

「アップルクリレ」はリンゴジュースの製造工程で排出される加工残渣と八甲田山麓で採取したチシマザサを圧搾し、濃縮したエキスです。日本ハルマ株式会社が地方独立行政法人青森県産業技術センターなどと共同で開発しました。特殊な装置でエキスを搾る「高圧圧搾」、減圧蒸留して留出液と濃縮液に分離させる「共沸分留」の2つの独自技術で製造しています。その独自性から令和4年度東北地方発明表彰の発明協会会長賞(特別賞)を受賞しています。黒蜜や黒砂糖のような香りと甘みがあり、シロップのような甘味料として使用できます。弘前大学農188体育官网-【体育娱乐】@命科学部と日本ハルマ株式会社は2016年から「アップルクリレ」の成分と機能性を評価する共同研究を実施してきました。
 
「アップルクリレ サイダー」は「アップルクリレ」を甘味料として使用した、初めての一般販売用加工食品です。

【研究及び成果の内容】
共同研究の結果、「アップルクリレ」はリンゴ由来のポリフェノールが含まれ、リンゴジュースや市販の甘味料(はちみつ、黒蜜)よりもその含量や抗酸化活性が高いことが明らかになりました。また、はちみつよりも低カロリーであり、リンゴに特徴的なミネラル成分のカリウムも多く含まれていました。

2024年4月から、飲食店やホテルの食材として「アップルクリレ」の業務用食品の販売が開始されました。「アップルクリレ サイダー」はアップルクリレを使用した炭酸飲料です。シークワーサーを加えクラフトコーラのような味わいに仕上げた製品です。2024年10月から催事などで試験販売がおこなわれ、2024年12月より本格的な一般販売が開始されました。瓶のデザインは黒石高校情報デザイン科3年の葛西柚奈さんが手がけています。弘前大学のロゴマークがパッケージに記載されています。

【今後の予定?展望】
「アップルクリレ」はリンゴジュースの製造工程で排出されるリンゴの未利用素材である加工残渣を活用した製品です。未利用資源の有効活用、食品ロスの削減にも貢献できる製品です。また青森県内企業が県内工場で製造しており、地域経済の活性化への寄与も期待されます。今後、販売店舗を拡大していく計画です。

用語解説

  • ?アップルクリレ…日本ハルマ株式会社が開発したリンゴ加工残渣とチシマザサを圧搾し、抽出物を濃縮したエキス製品。黒蜜のようなほのかな甘みがある甘味料。
  • ?日本ハルマ株式会社…1983年に青森県弘前市で創業。八甲田山麓に自生するチシマザサや青森県産りんごを原材料とした化粧品原料、食品原料 の開発と製造をおこなっている。2023年には青森県黒石市の旧東英中学校の敷地にリンゴ加工残渣からリンゴ由来セラミドを抽出する新工場を建設し、生産を開始している。

プレスリリース

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本学お問合せ先

弘前大学農188体育官网-【体育娱乐】@命科学部 准教授 前多 隼人
TEL:0172-39-3790
E-mail:hayatosphirosaki-u.ac.jp

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